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「ジブリパークを歩いて」Vol.22は中京テレビアナウンサー・秋元風花さん

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「余白」を紡ぐ豊かさ
言葉ではなく感性で受け止めて

ジブリパークを巡った中京テレビアナウンサー・秋元風花さん

東海地方で中京テレビが平日朝に放送する「あさドレ♪」では、入社2年目の秋元風花アナウンサーが昨年からジブリパークで天気の中継を担当しています。
ジブリパークを巡る中で伝えることの根幹が覆されたと語る秋元アナ。そのわけとは――。

言葉で照らす
多層的な文脈

普段、生放送のニュースやお天気を伝える中で、「言葉を紡ぐとはどういうことか」を日々模索しています。
例えば、雨が降ると、以前の私なら「あいにくのお天気です」と言ってしまいがちでした。
けれど、視点を変えれば、農家さんにとっては待望の雨かもしれないし、ダムの水不足を救う恵みでもあります。

一つの物事に多角的に光を当て、さまざまな立場の目線に寄り添って言葉を選ぶことこそが、言葉を紡ぐ本質だと天気の現場を通じて学びました。

仕事やプライベートで東海地方の方々と温かい言葉を交わす中でも感じますが、言葉は伝え方一つで相手への届き方が一変します。
情報を一義的に決めつけて解説するのではなく、言葉によって多層的な文脈を照らし出す存在であり続けたいです。

初めてのジブリパーク中継は「エレベーター塔」から

未完成な自分を受け入れ
原石を磨き続ける大切さ

スタジオジブリ作品が描く「働く人のリアルな姿」にはいつも背中を押されます。
冬場にマイナス4度の極寒の中で立ち続ける中継など、これまで体力的に苦しい日もありました。

そんな中、『耳をすませば』で(月島)雫ちゃんが自身の夢と葛藤するとき、おじいさん(西司朗)がかける「初めから完璧なんか期待してはいけない」「自分の中に原石を見つけて、時間をかけて磨くことなんだよ」という言葉に思わず涙があふれました。

放送にのせる以上は完璧を届けたいと思う反面、2年目の自分にはできなくて落ち込む日があります。
昨年、「地球屋」(青春の丘)の中継現場で「バロンの魅力を十分伝えきれなかった」という時間との戦いによる悔しさも経験しました。
けれど、未完成な自分を受け入れ、手間をかけて磨き続ける大切さを教わり、心が深く救われました。

『魔女の宅急便』のキキが理不尽な現実にぶつかりながら踏ん張る姿もそうですが、ジブリは過剰な成功体験ではなく、葛藤しながら泥臭く生きる人間の姿を描いているからこそ、大人になった今の私の胸に強く響きます。

「オキノ邸」で『魔女の宅急便』の世界へ

全てを語り尽くさず
解釈や会話に委ねる

きょうもジブリパークには世界中から多くの方々が足を運んでいます。
「自然の叡智」をテーマにした愛知万博の跡地という豊かな自然の中で『もののけ姫』のような「自然と人間」という力強いメッセージを世界へ発信し、東海エリア全体へ人々を呼び込む観光の起爆剤でもあります。

ジブリパークの空間はあえて説明書きや明確な結論を置かず、受け手の解釈や訪れた人同士の会話に委ねているので、とても新鮮で心がひかれます。
私はもともと映像作品や美術品を鑑賞するときは解説を目にしないタイプ。

テレビは1から100まで説明して消費を完結させてしまいがちですが、ジブリパークでの中継を重ねた経験から「あえて伝えきらない、余白を残した伝え方」をしたいと考えています。
1から50までをテレビで届け、「実際に足を運んで自分の感性で受け止めてほしい」と残りの50はヒントやワクワクする余白として残す。

王道とはかけ離れたテレビの伝え方ですが、ジブリパークであれば十分魅力が伝わります。
語り尽くさない非言語の奥深さをしっかり意識していきたいです。

大好きな作品は『千と千尋の神隠し』

秋元風花(中京テレビアナウンサー)

2002年、東京都出身。慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、25年に中京テレビ(名古屋市)へ入社。
担当番組は「あさドレ♪」のほか、土曜午前9時24分から放送「あすりーとHOLIDAY」。

中京テレビ「あさドレ♪」

月~金曜の午前5時50分から、愛知、岐阜、三重の3県向けに生放送する報道番組。
秋元風花アナウンサーが担当する天気の中継は不定期でジブリパークから行っている。

※掲載情報は2026年8月30日付です。展示等の最新情報はジブリパークウェブサイトをご確認ください。